日本社会は成熟期にあり、今後大きな成長は見込めないのではないかと言われている。むしろ少子高齢化や巨額の財政赤字など様々な問題を抱え、「社会全体が疲弊している」と表現されることも。政府は「働き方改革」によって経済成長を目指しているが、日本という社会を存続させるためには、別の考え方が必要なのかもしれない。
そこで今回は、長谷川英祐氏の『働かないアリに意義がある』から、進化生物学の視点で社会をみていこう。持続可能な社会をつくるためのヒントがあるかもしれない。
アリのコロニーにはほとんど「働かないアリ」が2割ほど存在する。そして「働かないアリ」が存在しないと、コロニーは長続きできない――。

不思議なもので、いま働かないアリを取り除いても、また新しく働かないアリが出現すると言われています。

一見、短期的には非効率に見える「働かないアリ」の存在が、組織の長期存続に大きな貢献をしている。

なぜ「働かないアリ」がいるのか?

イソップ寓話の『アリとキリギリス』にあるように、アリは働き者というイメージがある。しかし、研究の結果、巣にいる7割ほどの働きアリは「何もしていない」ことが実証された。
働きアリの法則としても知られているように、実は、よく働くアリは巣の中の一ほんの部なのである。全てのアリが平等に働く方が効率的ではないかと思われるかもしれない。しかし、働かないアリの存在が種の存続には不可欠なのである。

「 アリのコロニーシステム 」

アリのコロニーにはなぜ一定の「働かないアリ」が存在するのだろうか。長谷川氏によると、「反応閾(いき)値」と呼ばれる「仕事への腰の軽さ」の個体差が影響しているという。
働きアリたちの前に「幼虫を世話する」「巣を作る」といった仕事が出現すると、反応閾値の低い、つまり「腰の軽い」アリがまず働き始める。

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腰の軽いアリがどこか別の場所に行ってしまったり、疲れて休みだしたりして初めて、より反応閾値が高い「腰の重い」アリは働き始める。
こうしたシステムがあるから、相対的に腰の重いアリたちは、ほとんど仕事をしていないように見えることになる。「よく働くアリたちにも働かないアリたちにも、相対的な反応閾値の差はある。だから一部のアリを取り出しても、またその中で働かないアリが出てくるのです」(長谷川氏)。
働かないアリはサボっているのではなく、必要な時に働くために待機しているのである。

「 人間社会に当てはめると… 」

これは、人間でも同じことが言えるのではないだろうか。会社で働く全員が一生懸命仕事をすれば、短期的にはめざましい成果を上げることができるだろう。
しかし、チームに欠員が出たとき、トラブルがあったとき、代わりに仕事をできる人はいない。残業を重ね、過労で仕事ができなくなれば、残ったメンバーの仕事はさらに増えるという悪循環に陥る。一見無駄に思われる「余裕」を常に残しておくことが大切なのだ。

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